唇にキスを、首筋に口づけを
するとヤツはゆっくりと顔を上げた。
そして私を見る。
捉えるかのように。
あぁ、捕まっちゃった。
ヤツの瞳から、目が離せなくなる。逃げれない。
そう思った。
「・・・守りたいからだよ」
ヤツはそう言ったかと思うと、心なしかさらに視線が強くなったような気がした。
「・・・意味わかんない。
私を助ける理由はないでしょ?
私、あなたの敵なんだから。」
また淡々と放つ。
「人間だとかヴァンパイアだとか関係ないんだよ。
ゆりなといると、苦しくて、切なくて。
初めてこれが愛だと気付いた。
愛した女を助けたい、守りたいというのは当たり前の感情だ。」
ヤツは落ち着いていた。
目が座っていた。
私はその言葉にのまれた。
何も言いだすことができなかった。
けれど私の心はきゅんと狭くなるのだった。
この、この感覚は??
・・・あぁ、信じたくない。
けど、けど・・・あぁ、ダメだ。
冷静さが飛んだ。
私はガバッと彼に抱きついていた。