唇にキスを、首筋に口づけを
堕落
カーテンの隙間から差し込む太陽の光。
あぁ、なんて私は目を閉じながら心の中で少し嘆く。
これ、朝が早いときの光ではないと。
7時とか8時とかだったら、まだこれほどまでに光は強くない。
うん。そうか。
私はごそっと手に届くところにあるケータイをとる。
時間を確認。
ブルーライトが目に入って思わず目を細める。
9:58
・・・あ、それほど寝坊したわけでもなかった。
これで正午をまわっていたら盛大に後悔したところだ。
・・・私はごろっと寝返りをうつ。
そして気づく。
「うわ!!」
私は思わず目の前にあったものを突き飛ばした。
けれどそいつはビクともせずに、クスリと笑みを浮かべる。
「おはよう、ゆりな」
目の前にいる。
ジュン。
あれ、なんだっけ
あんま覚えてない。
確かにここにいれば、と言った。
それで・・・どうしたんだっけ。
あー・・・
シャワーを浴びて・・・
それで、ベッドに横たわったら思わず眠ってしまったんだった。
あ・・・それで、シャワーから出てきたジュンが、私の隣に寝たと。
おっけー
理解した。
「うん おはよう」
私は平然とそう挨拶し返す。
敵が目の前にいる、っていうのも心がざわつくものだ。
さっさとベッドから離れよう。
私はそう思って起き上がろうとした。
けれど
「ひゃっ・・・!」
私の体は拘束された。
ジュンの長い腕によって。