唇にキスを、首筋に口づけを
それからも1ヶ月半くらいダラダラとジュンと暮らしていた。
ある冬の夜のことだ。
その日は雪がひどく、狩りに行くのを中止にしていた。
寒いこともあり、8時頃にお風呂を出てからずっと布団に潜っていた。
ジュンと二人で。
向かい合って。
なんとなく目があって、互いの唇を結びつけた。
それがどんどん長くなって、激しくなって、息ができなくなって。
私はジュンの胸を叩いてなんとか解放してもらった。
そしてまた向き合って。
「なぁ、いいよな」
そう言うとふと服の中に手が滑り込んできて。
あぁ、いっかー、
なんて私はそれになすがままだった。
ちょっと不自然に思ったのは、キスマークをたくさんつけている、ってこと。
逐一耳やらうなじやら鎖骨やら腹やら胸やら背中やら腿やらにチクリとした痛みが走って、
苦し紛れにちょっと見てみると、それはキスマーク、もとい シルシ。
二人で果ててからはベッドで他愛もない話をしていた。
「なんか、今日はシルシ、たくさんつけてたね。」
見えない場所につけていたのはジュンなりの配慮かな。
他の狩人たちに見つかったらなんて説明していいか分からないし。
「・・・まぁな。
ゆりなを、離れてても守るため。」
まぁ、ジュンは狩りに来れないし。
そんな風にぼんやり考えて。
「ねぇ、私も付けたい。
ジュンにシルシ。」
「珍しいな。
いいよ、けど、がっかりするなよ。」
言っている意味がわからなかったけど、
なんだか楽しくなってジュンの首元に吸い付いた。
「なんか、ゆりながヴァンパイアみたいだな。」
頭上でそんな声がして笑ってしまう。
「はい、ついた。」
私はジュンの首から顔を離す。
紅い華が咲いてる。
けど、
「え すぐ消えた・・・」
私はジュンの首元のさっきまであったシルシの部分に手を当てる。
「な、だからがっかりすんなよって言っただろ。」
「え・・・?」
「ヴァンパイアは治癒力に長けてるからな。
キスマークも、すぐに消えちまう。」
ジュンは嘲るように言った。
なんで、少し悲しそうな顔、するの。
私は戸惑ったけど、すぐにある方法を思いついて、
毛布を体に巻きつけながらあるモノを取りにベッドから出る。