唇にキスを、首筋に口づけを
「お前の準備は?」
「へ?」
「へ、じゃねぇよ。
ほら、服の準備とかさ、
色々あるだろ?」
ったく、
っていいそうな顔だ。
どうしよ、
何の準備もしてないんだけどなあ。
「まだ、何もない・・・よ?」
私は怒られる覚悟でそう発した。
すると案の定、
「はぁー・・・、
だからお前は・・・、
はぁ・・・」
怒るのを通り越して、呆れられてしまった。
うう、と私は項垂れた。
「しゃあねーな。」
ふう、
と爽哉が割と明るめな声を出した。
え?
私は前向きな雰囲気に顔をあげた。
「今日買いに行くか。
バイト何時?」
「えーと、3時・・・」
「まだ大丈夫だな。」
時計は11時をさしている。
「行くぞ、
はやく準備しろ?」
そういうと、
爽哉はペットボトルをくしゃりと潰しながら立ち上がった。
え、
まじで今から?
やば、フットワークの軽さが。
行動力あるなあ。
「はあい、
準備してきまーす。」
私は返事をしてから、
少し飲み物を飲み、自室に戻って準備を開始した。
準備といっても、
軽く紫外線対策のためにメイクして、
バックに財布とケータイを突っ込む。
それぐらいだ。
だからまあ、10分くらいで準備できた。
「爽哉ぁ、
準備できたー。」
私はリビングにいる爽哉に言った。
「うぃー。」
と、何だか気の抜けた返事で返された。
行きますか、
と言われて私達は家をでて車に乗り込んだ。
車を走らせながら、爽哉が切り出した。
「女がパーティーで必要なものってなんだ?」
「えー?
ドレスとか?
クラッチバック?
まあ、マナー的にハンカチ、ティッシュ、ケータイ、財布持っておけばオーライじゃない?」
「ま、そんなもんだな。」
「じゃ今日はバックとドレス買うー。」
「ああ、そうしよう。」
そう言って、
車を走らせること30分弱、
比較的安価なものだが、
様々な商品を取り揃えている服屋にまずは、やってきた。