隣の先輩。

突然名前を呼ばれたので
誰だろうと思い
振り返ると
帰り道で
話題になっていた本人がいた。


「佐藤くん?」



「優美ちゃんもこの道?」



“も”とゆうことは
佐藤くんも
この道なのかな?



「うん。そだよー。
佐藤くんも?」



「俺は,桜が
綺麗だったから遠回り♪」



佐藤くんは,
にかっと笑って言った。



「あたしも,そう思って
歩いてたんだよねー。」



その瞬間,
風がビュウッと
強く吹いて
桜の花びらが散った。



「花吹雪…。綺麗~!」


あたしは,
あまりにも
綺麗ではしゃいでいた。


「桜ってやっぱ
なごむよな~。」


なんて,佐藤くんが
言うから
なんだかおかしくなった。


佐藤くんは
作り笑いをしない。
素で笑ってくれる。

…純粋な人なんだと思った。

< 27 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop