隣の先輩。
「いや~,始業式とか
ホントいらないよね!」
早苗は,面倒そうに
つぶやく。
あたし達は,
出席番号が
上下だったので
始業式中ずっと喋ってた。
ようやく,校長の長い話も
終わり始業式は終わった。
「やっと終わったよ~!
もう眠いわホント」
早苗と教室に
戻っている途中,
早苗の顔が急に
にやついた。
「オイ」
誰かに頭をコツンとされ,
見るとなんと
美月先輩だった。
「ふぇ!?みみみ美月先輩!」
あたしは緊張の余り,
焦ってしまった。
はずかしい…
「ハハっ。
なんでそんなに
動揺してんだよ。
お前始業式中
ずっと喋ってたろ。」
美月先輩の笑った顔,
本当にかわいい。
って,そうじゃなくて!
「いやいや,
だってつまんないもん!」
「正直なやつだな~。
そんなこと
言ってっと,
校長泣いちゃうぞ?
じゃ,またな!」
そう言って,
美月先輩は
友達らしき人を
捕まえて行ってしまった。