ナルシスト男=ナルオ【Ⅰ】
優奈、アンタやたら声高すぎちゃうか
いっつも、オッサンみたいに低いんに
そんな可愛くみせても、中身オバハンやから、その内バレてまうって
――ガタ
前から椅子の引く音がして、眺めていた外の風景から、そっちに視線をやった
そこに立ってたんは、黒髪の黒ぶち眼鏡の、うちと一緒の制服を着た、兄ちゃん
へぇ~
うちの学校から来たんや
他は他校生の奴らやのに
なんて、まじまじと見ていると、隣の優奈がニヤニヤと耳打ちしてきた