ナルシスト男=ナルオ【Ⅰ】
「頼むわ…」
行きたくないけど…!!
けど…!!
借金…があるし…
「まぁまぁ、んな落ち込むなや」
ポンポンと頭を撫でる、夏璢
「朱刃琉、お前が思とるほど、悪い奴やないで」
「ちゃうて、うちがへこんでんのは、人に借金と言うものをしてしまったからであって…」
あぁ…一生の不覚…
「せやけど、東京行けんねやしええやんけ、なっ??」
「まぁ…それもせやけど…」
「せやろ…って、あれ朱刃琉やん」
「へっ…??」
夏璢はガラガラと、正門の見える窓を開ける
そこには帰ったはずの、ナルオがおった