ナルシスト男=ナルオ【Ⅰ】

「頼むわ…」

行きたくないけど…!!
けど…!!
借金…があるし…

「まぁまぁ、んな落ち込むなや」

ポンポンと頭を撫でる、夏璢

「朱刃琉、お前が思とるほど、悪い奴やないで」

「ちゃうて、うちがへこんでんのは、人に借金と言うものをしてしまったからであって…」

あぁ…一生の不覚…

「せやけど、東京行けんねやしええやんけ、なっ??」

「まぁ…それもせやけど…」

「せやろ…って、あれ朱刃琉やん」

「へっ…??」

夏璢はガラガラと、正門の見える窓を開ける

そこには帰ったはずの、ナルオがおった

< 233 / 363 >

この作品をシェア

pagetop