君が好き
「おい 翔ー」
後ろから声がした
「翔 何してんだよ ボールあったか?」
「あっうん あった」
君を見ていた目をずらし ボールを拓に向ける
「休憩だってよ」
「疲れた・・・」
冷たく冷やした水を飲む
日陰で、冷たいコンクリートに寝転ぶ
「あのさぁー 翔」
「何?」
「翔 高橋のこと見てただろっ」
「えっ」
「バレバレ 俺 後ろにいたのに 気づかねぇんだもん・・・」
笑いながら言う拓
「それなら 声ぐらいかけろよっ」
心の中でため息をつく
「早く 告れば・・・もう、夏だぜ!」
そのくらい分かってる・・・
「おっ テニス部 終わったみたいだぜ」
「今 行ってくんのかよっ」
「じゃ いつ 言うんだよ・・・」
「知らねぇ」
「じゃ 俺が・・・」
「それだけは 困る・・・」
「早くしないと 誰かに取られるぞ!」