君が好き


「おい 翔ー」


後ろから声がした



「翔 何してんだよ  ボールあったか?」


「あっうん あった」



君を見ていた目をずらし ボールを拓に向ける



「休憩だってよ」


「疲れた・・・」


冷たく冷やした水を飲む

 
日陰で、冷たいコンクリートに寝転ぶ



「あのさぁー 翔」


「何?」


「翔 高橋のこと見てただろっ」


「えっ」


「バレバレ 俺 後ろにいたのに 気づかねぇんだもん・・・」


笑いながら言う拓


「それなら 声ぐらいかけろよっ」


心の中でため息をつく



「早く 告れば・・・もう、夏だぜ!」


そのくらい分かってる・・・


「おっ テニス部 終わったみたいだぜ」


「今 行ってくんのかよっ」


「じゃ いつ 言うんだよ・・・」


「知らねぇ」


「じゃ 俺が・・・」


「それだけは 困る・・・」


「早くしないと 誰かに取られるぞ!」





< 3 / 5 >

この作品をシェア

pagetop