ガール☆ヘブン




その人はあたしをジッと見、へぇ…、と口を開いた。

その人は、驚くくらい美形で。


黒い髪が、軽く無造作に跳ねてて。

片耳の小さなリングのピアスと、赤いダイヤのピアスが目立った。


「……本当に女」

「はい?」

本当に女?!!

なにそれ!
ウソで女をしてるとでも、思ったワケ!?

残念ながら、あたしは女です――!


「陽奈、コイツは蒼。

ここの理事長の息子」

へ~。
理事長の息子~。

「そうなんだ~。ってはい?!!」

そんなあたしに、再び笑う颯。


いやいや!
今は、颯が笑うとか関係なくて!

「理事長の息子?!! な、何者っ?!」

驚く事しか出来なかった。





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