TRANP
俺なんか変なこと言ったっけ
今まで言った自分の言葉を思い出す
「…行きたく、ないから」
まだぽろぽろと涙を零す凛華を見て少し焦った
「私………」
―――武志と、別れた――
小さく呟かれたその言葉に胸が痛くなる
こういうとき、なんて言えば良いんだろう。
良いと思える言葉が見付からない
部活に行かず、会の仕事をしてるのは
テニスコートから、武志先輩が見えるから
そういうことだった
「…今日は、帰る」
立ち上がった凛華はフラ、と床に倒れ込んだ