lucky×unlucky
「ちょ…山本⁉」
何してんのっ⁉
プチパニック状態でじたばたともがくが、ビクともしない
それどころかより一層力を込められ、完全に彼の腕の中に閉じ込められた
トクン…トクン…と規則正しい彼の胸の鼓動を身体に感じる
「……山本?」
何時もと様子が違うことに気が付き、抵抗をするのをやめる
ほんの少しだけど
彼の身体が震えていた
「……山本」
私は、もう一度彼の名前を呼ぶ
別に返事をして欲しかった訳じゃないけど
この時は何故か声に出したかった