lucky×unlucky



「……っ」

ピクリと身体が跳ね上がり、回された腕に力が込められる

「本当に、篠宮さんだよね?生きてるんだよね?」

「…死んでたら此処にいないわよ」

山本が、助けてくれた

有難う…なんて感謝の言葉は小さなプライドが邪魔をして、素っ気ない返事をすれば

山本は、はぁっ…と小さく息を吐いて私の首元に顔をうずめると


「…良かった」


間に合って

篠宮さんが此処にいて


その声は弱々しく震えているが、酷く優しくて

じんわりと心の中に何かが染みこんでいくのを感じた



「……どうしてそこまで出来るの」


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