lucky×unlucky



いつかはこうなると思っていた

あの二人と私の組み合わせは良い意味でも悪い意味でも目立つ存在だから



ドンッ

「……っ」


『あんた最近調子に乗りすぎじゃないの?』

予想通り連れてこられたのは、使われていない空き教室

何人かに羽交い締めにされ壁に押し付けられると、一際派手なメイクをした恐らくリーダーであろう女が睨みをきかせて目の前に立ちはだかる

「…なんのことですか」

思いのほか強く打ち付けてしまい、ジンジン痛む背中をどうにか堪えて努めて冷静に返事をする

『しらばっくれないでよ‼毎日山本くんと平くんに金魚の糞みたいに纏わり付いてるじゃない』

キモイだのウザいだのキーキー高い声をあげて怒鳴ってくる別のケバい女達

あー…だから女って面倒


「…別に纏わり付いてなんかないです。お昼一緒にいるだけで纏わり付いたって言うんですか?というか、そんなに二人が好きなら遠くからじーっとストーカーみたいに見てるだけじゃなくて貴方達が二人をお昼に誘えば良いじゃないですか?私もその方が助かります」

むしろ纏わり付いてるのはあの二人なんだけど

てか、そんなに人気あるのね…あの二人

なんて、他人事のように思いながら一息で淡々と言ってのけると、リーダーの女の顔が酷く歪んだ



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