lucky×unlucky
『なっ…‼ブスの癖に余裕ぶってるんじゃないわよ‼とにかく二人から離れなさいよ‼』
「……っ」
癪に障ったのかリーダーに胸倉を掴まれ上に持ち上げられると、必然的に爪先立ちになる
どこにそんな力あるのよ…馬鹿力
私、貴方より綺麗な自信あるわよ
だからと言って別に見せないけど
心の中で悪態つきながら今この場にいない二人を恨んだ
…ほんと、目立つ奴って嫌いよ
特にあの軽い笑顔のチャラ男
「……く……り」
あー…もう、息苦しい
目の前にある顔が霞んでくる
『は?何言って…』
「どいつもこいつもムカつく奴らばっかりだって言ってるのよ‼」
思わず素が出てしまったが、この際仕方ない
だってこの教室香水の匂いが充満していて気持ち悪いし、何より授業に遅れたくない
胸倉を掴んでいる手を思い切り振り払い、呆気にとられている隙に身体を拘束していた他のギャルの手から逃れる
それからドンッと目の前のリーダーを押すと、少しよろけた拍子に道が開けて、私は勢い良く走り出した