lucky×unlucky
「…逃げるなんてしないわよ」
ただ…あの子の事が少し気になっただけ
私たちに向けられたのは明らかな侮蔑と拒絶の目
だけど、あの二人の名前を呼べばそれは僅かに揺らいだ
迷っているのだろう…そう直感した
私と同じで
あの子は二人と一緒にいてもいいのかどうかを
私はいつまでも紘香の言いなりで良いのかを
なんて、全部推測にしか過ぎないけど
私はどうしてもあの子が他人だとは思えなかった
決行日は来週開催される全校生徒が集まる一大イベント
私は徐に目を閉じて、自分はどうするべきなのか考えを巡らせるのだった