lucky×unlucky


「…逃げるなんてしないわよ」


ただ…あの子の事が少し気になっただけ

私たちに向けられたのは明らかな侮蔑と拒絶の目

だけど、あの二人の名前を呼べばそれは僅かに揺らいだ

迷っているのだろう…そう直感した

私と同じで

あの子は二人と一緒にいてもいいのかどうかを

私はいつまでも紘香の言いなりで良いのかを

なんて、全部推測にしか過ぎないけど

私はどうしてもあの子が他人だとは思えなかった


決行日は来週開催される全校生徒が集まる一大イベント


私は徐に目を閉じて、自分はどうするべきなのか考えを巡らせるのだった


< 131 / 159 >

この作品をシェア

pagetop