lucky×unlucky
毎日屋上へ行き三人でご飯を食べて、馬鹿みたいな話を山本がして亮介くんが笑う
たまに亮介くんが私に触れてくると、鳥の糞が降ってきたりして今度は山本が懲りないなぁ…って腹を抱えて笑いだす
私はたまに一言、二言話すだけであとはご飯を食べるだけに集中してる
別に私が居なくても良いじゃないといえば二人は揃って
「「駄目!一人でも欠けちゃいけないんだから(な)(ぁ〜)」」
なんて、真顔で言ってくるから思わず言葉に詰まってしまう
これは駄目だ
いつも二人がいるこの環境に慣れ始めている
離れなきゃと何度も思って、一ヶ月経っても離れられていないのは
二人の真っ直ぐすぎるほどの優しさに触れて
日向といたあの穏やかで心地よい時間を思い出してしまったから
「…え?」
そこまで考えてはっとする
認めたくないが、認めなければいけない
あの二人といるのは嫌いではないことを
しかも、現在進行形でそのベクトルはプラスに傾きつつある事を
「……最悪」
どうしたらいいのよ…
思い浮かぶのは太陽のような笑顔をしたあの子
会いたいけど、会えない人
大好きだった貴方は今
何処にいて
何をしているのだろうか
ずるずるとその場に座り込んで身体を小さく丸める
始業を知らせるチャイムの音が鳴り響いても私は暫くその場から動けなかった