lucky×unlucky



「でもさー、鬼ごっこって…今どきの高校生ってやる?絶対真面目にしないよー」

そうなんです

新歓でやる企画はなんと‼

泥棒と警察の鬼ごっこ‼

ドロケイとかケイドロって言うのかな?

一年生は逃亡者…泥棒として参加。他学年は警察として逃亡者を追っかけるという至ってシンプルなルール

それだけじゃあ面白くないから追加ルールもあるらしいがそれは当日まで分からないらしい

「やりそうもないから物で釣るんだよ」

俺が気怠げな雰囲気を一身に出すと、奴はニィッと悪そうな笑みで紙の一番下を指差した

「んー…なになに?逃亡者を捕まえた数によって副賞あり。また、上位3位までに入ると豪華賞品あり…って

俺らセンパイたちの餌じゃん‼」

最後まで読み進めるうちに段々と顔が引きつってきて、内容を全て把握したのと同時に思わず非難めいた声を上げる

「ははっ…でも、逃げ切ったら俺達にも賞品はあるから頑張ろうぜ」

俺の肩に手を回してニカッとそれはもう無駄に爽やかな笑みを浮かべると、また女子の黄色い悲鳴が聞こえてくる

「わー亮介人気だねぇ」

「いや、お前だろ」

「どっちもということで。てか、前からこんなに俺らの追っかけみたいな女の子いたっけ?」

「さあ?少なくとも入学式の時にはお前すらいなかったけど」

あー…そうでした

だってあの時は篠宮さんと色々あったんだよ?

「あれ、そうだったっけ?」

そんなこといったら根掘り葉掘り聞かれて面倒臭そうなのでとりあえずへラリと笑っておいた

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