lucky×unlucky
急いで校門を通り抜け、新入生受付である運動場のテントへ足を運べば吃驚した顔をした何人かの先生がいて
遅刻した理由を聞かれたので体調が悪くて…とか適当にでっち上げると、この地味な容姿のお陰か特に怒られる事もなくワッペンを二つ渡されて、簡単にル-ルを教えられた
ふーん…最初は体育館に鬼がいるのね、私達は学校内ならどこ逃げても構わない
チャイムが鳴るのと同時にスタート
3時間後に再びチャイムが鳴って終了の合図とする…か
ほかにも色々言われたけど真面目に鬼ごっこする気はさらさら無かったので右から左へ聞き流した
賞品なんていらないし、さっさと捕まって帰ろう
心のなかでそう決めて先生にお礼を言うと体育館の方へ足を向けたのだった
この時、私はさっさと帰ることにしか頭がいってなくて
その先にある奴等の思惑に考えが及ばなかった
こんな時でも嫌がらせというものは続けられ
しかも、いつもは校内で常に人の目があるから些細な嫌がらせ程度で済んでいただけで
奴等の格好の餌食がたった一人でいる事が、どんなに危険であることを
じりじりと近付く足音にすら
気付くことも出来ずに
私は、態々彼女たちが仕掛ける罠の方へ自ら身体を投げ出してしまった