lucky×unlucky
暗くて見えないかもしれないけど、取り敢えず愛想笑いを浮かべた後
その場にしゃがみこみ、背中をポンポン叩く
「あの…えっと」
一瞬躊躇したが、意味を理解したのかトコトコと歩いてきて、恐る恐る首に手をまわす
『お願いします』
そう言って申し訳程度に握られた襟
余程怖かったのだろう手は小刻みに震えていた
「…うん。しっかり掴まってて」
…ちょっと悪い事したかも
俺は出来るだけ揺らさないようにゆっくりと立ち上がった
あ…やっぱり軽い
ホッと一安心すると、もと来た道を引き返し始めた
カツ…カツ…カツ…
『あの…えと…大丈夫ですか?』
ふと、背負われてからずっと無言だった女の子が口を開いた