lucky×unlucky
「…なにが?」
『………』
「言えないこと?」
それだけいうとまた黙ってしまったが、俺もそこまで鬼じゃないから優しく会話を促す
『私に触ったら…不幸になる』
「不幸ぉ?それなんかのジョーク?」
クスクス笑ってみせるが、女の子は口を噤んだ
え…本気で言ったの?
「…まぁ…俺は何かと運が良いから大丈夫」
慌ててフォローを入れるが、彼女の不安を取り除くことはできなかったようで
「はぃ……だと良いんですけど」
頼りない小さな声でそう呟くと静かに俺の背中に顔をうずめた
その時の俺は彼女の言葉をそれほど深く考えていなく
この女が"超"がつくほどの不幸女だと理解したのは、俺達が地下から抜け出した後だった