lucky×unlucky

――――――………‥



玄関を飛び出してふと、空を見上げてみる


「真っ青な空…」

今日は良い天気ですねぇ…

雲一つない晴天で、春のポカポカ陽気が漂っていた


「あ!!傘忘れた!!」


ハッと気が付いて慌てて腕時計の針を見てみますが

明らかに取りに戻る時間がありません…


「今日は…来ませんよね?」


思わず不安が口からこぼれてしまいましたがここは潔く諦めて、上を警戒しながら歩き始めました




え?


どうして晴れなのに傘がいるのかって?


至極簡単な事ですが

私としては一刻も早く解決したい問題なんです


それは

なんの恨みがあるのかほぼ毎日と言って良いほど大量の鳥のフンが私の頭上を目掛けて落ちてくるんです(泣)



カァ~ カァ~



そして…そいつはやっぱり今日もやってきました


ヒュンッ

真っ黒な物体が一つ、私の上空を飛んで行く


なんだ…今日は一羽ですか


私はホッとするとお店のひさしのある店を選んでその下を歩きました


そう何回も落とされてたらたまりませんからね!!

私だって学びましたよ!!

黒い物体に対して余裕の笑みを浮かべると、堂々と前を向いて足を踏み出しました




カァー カァー

一羽増え、合計二羽頭上を円を描くように飛んでいる


しかし、私が上を見上げると何時も一羽だけしか見えませんでした

だから私は気付きませんでした



黒い物体…カラスも学んでいることに




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