lucky×unlucky



そして


カラスが止まっているガードレールの横を通り過ぎようとした


刹那


"カァ!!"

「うぁぁぁっ!!びっくりした!!」

いきなり横から声がして私はビクッと体を震わせます

「誰な……っぅえ!?」

少しムスッとした顔で勢いよく声の主を見れば

一気に嫌な汗が全身から噴き出してきました


「カッ…カラ…」

何故貴方様がいらっしゃるの――――――!!!!


真っ黒な愛らしい瞳で私を見つめるカラス様

可愛いなんて言えない…身の危険を感じます

だがここで逃げれば負けだと思い、私達は何か言うわけでもなく、ただ見つめ合っていました


「ア…アハハ…じゃあ…私はこれで」

痺れを切らしたのは私で

とりあえずカラスに笑ってごまかすとその場から離れようとしましたが


勿論カラス様が黙っているはずもなく


"カァ―カァ―!!"
(やっぱりコイツだったーー!!)


一際高い鳴き声をあげたかと思えばバサッバサッと複数の鳥が飛ぶ音が聞こえてきて


上を見上げれば真っ黒な物体が大量に真っ直ぐこちらへ向かってきていたのです!!


「や…嘘…だ…」

来たぁぁぁぁ!!!!!




私は、鞄を抱えて一目散に逃げ出しました






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