lucky×unlucky



シーツを被ったままで声が少しくぐもって聞こえるが、どうやら転んだ拍子に眼鏡が飛んでしまったらしい

「眼鏡…?」

床をキョロキョロ見渡せばすぐに見つかり、篠宮から少し離れた場所にある眼鏡を拾い上げた

「ほら、これでしょ?」

「うわぁぁ!!あッ!!…ありがとうござります!!」

シーツをめくって眼鏡を渡そうとしたら、またもやおかしな声をあげ、俺の手にのせてあったソレを素早く奪い取ってシーツにくるまった

ござります?

てか、なんで隠れる必要があるんだ?

「ねぇ…なんで隠れてんの?」

「え!?…別に…ってこれ私の眼鏡じゃない!!」

そう。篠宮が奪ったのは俺の眼鏡

まぁ…今はコンタクトいれてるから要らないんだけど

「理由を教えてくれたら返してあげる」

「なんで!?変な興味もたないで返して下さいッ…!!」

シーツを被ったまま必死に眼鏡を取り返そうとするか、あまり見えてないのか空振りばかり

「えー…」

そう言われると余計に見たくなるのが俺の性分で

「もうっ!!いい加減に――――……」

痺れを切らした篠宮は、立ち上がって俺の中に手にある自分の眼鏡を取り返そうと手を伸ばした刹那

「あっ…」

俺は一瞬の隙をついてシーツを掴み、勢いよく引き剥がした







バサッ……‥











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