lucky×unlucky



「…で、どうして元気な恭平くんは入学式サボってここにいるのかなぁ?」

コホン…と咳払いをして先生らしく質問してくる白百合さん

口元は弧を描いているが目は笑っていない

「それは…」

篠宮の事を言おうか思案していたら白百合さんは今度少し困った顔をする

「朝見た感じでは恭平くんが訳もなくサボる子には見えなかったんだけどな?おねーさんに話せない?無理には聞かないけど」

優しく頭を撫でられ俺は自然と肩の力が抜けた

あー…やっぱり白百合さんは教師なんだと少し感心

「実は…」

「ハッ!!まさかもう誰か喰っ…「違います!!」」

俺の話を遮って何を言うのかと思えば…

なんでそっちに持っていくんだ!?俺のさっきの白百合さんを尊敬した気持ち返せよ!!と内心呆れつつ俺が篠宮を助けてからここまで運んだという経緯を簡単に説明した

勿論、篠宮の秘密は省いて

「…というわけです」

「なるほど。じゃあ、その篠宮さんはどこ?」

「え…と、もう大丈夫だからって出ていきました」

早々に出ていったのはホントだけど、足は結構腫れてたから多分大丈夫じゃないと思う

やっぱ引き止めるべきだったかなぁ~

「ふ~ん…じゃあ恭平くんはサボりね」

「俺の話聞いてました!?」

これだけ話して俺サボり扱いかよ!!

「だって本人がいないから証明のしようが無いじゃない」

ニコッと笑う白百合さんに「さっきと話が違う」と呟けば「なんのことかしら?」ってしらを切られた

大人ってズルい


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