lucky×unlucky



「…へぇ。じゃあ私と二階違いですね」


それは篠宮さんにもいえることで


「じゃあ篠宮さんは46階?」

「いえ、50階です」

「はぁ!?嘘っ!!」


最上階かよっ!!

しかも最上階は一部屋しかなくてそこらの高級ホテルのスイートルームより豪華らしいじゃん!!


「嘘じゃありませんよ」

淡々と言いながら眼鏡とおさげのゴムをするりと外し始めた

首を少し振るとふわっと黒髪が揺れてほんのり甘い香りが鼻をかすめる

「………」

…やっぱり綺麗だよなぁ~

その仕草に少し見とれていたら篠宮さんはチラッと俺を見てあぁ…と声を漏らす

「もう貴方にはバレてますし、あの格好は学校に行ってマンションに入るまでと母親に口煩く言われてるんです」

「そ…そうなんだι」

そりゃそーだろ

最上階に住むお嬢様がこんな地味子&ダサ子スタイルだったら俺がおかーさまだったら泣くわ

むしろ母親が許可したことに驚きだよι


心の中でそう思っていたらタイミングよくチーンという音が鳴り響いた

どうやらいつの間にか俺の住む階に着いたようだ



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