lucky×unlucky
「えっ…えっ!?」
予想もしなかった大胆な行動に流石にドキッとしてしまい
篠宮さんが一瞬ニヤリと笑ったのに気が付かなかった
「…自分の部屋に入るまで気を抜かないで下さいね?」
「…え?」
「いえ何でも♪それじゃあまた明日」
何やらボソッと呟いたがうまく聞き取れず、聞き返そうとしたら笑顔で制されて
パッと俺から体を離すと踵を返してエレベーターの方へ消えていった
「…なんだったんだ?」
気を抜くなって言われても意味がわからないし
どういう事?
首を傾げてみるが誰も答えてくれる筈もなく
家まで残り数十メートル
取り敢えずモヤモヤを抱えたまま帰ることにした
この時…もっとよく考えていれば
数分後、俺があんな悲劇にあうなんてなかった…かもしれない