lucky×unlucky



「えっ…えっ!?」



予想もしなかった大胆な行動に流石にドキッとしてしまい

篠宮さんが一瞬ニヤリと笑ったのに気が付かなかった

「…自分の部屋に入るまで気を抜かないで下さいね?」

「…え?」

「いえ何でも♪それじゃあまた明日」

何やらボソッと呟いたがうまく聞き取れず、聞き返そうとしたら笑顔で制されて

パッと俺から体を離すと踵を返してエレベーターの方へ消えていった



「…なんだったんだ?」

気を抜くなって言われても意味がわからないし

どういう事?

首を傾げてみるが誰も答えてくれる筈もなく


家まで残り数十メートル

取り敢えずモヤモヤを抱えたまま帰ることにした







この時…もっとよく考えていれば

数分後、俺があんな悲劇にあうなんてなかった…かもしれない





< 43 / 159 >

この作品をシェア

pagetop