lucky×unlucky

おい…頼むから嘘だといってくれ


「待てっ…待てって!!」

切羽詰まった声で叫ぶと、目の前まで迫ってきていた奴はピタリととまり、ハッハッと荒い息遣いをしながらお座りのポーズで待っている

あー…そんなキラキラした瞳で俺を見つめないでくれ

勿論そんな目を向けられても可愛い筈もなく…

俺はカメのごとく奴の横を四つん這いで歩いていった


漸く奴の後ろまで回り込む頃には汗びっしょりだったが、なんとか危機を回避できたことに安堵の息をもらす

「よしっ…ミッション完了…っと」

うん。待てとよしができるあたり…すっごくイイコなんだけど、

俺の守備範囲外なんだよねぇ~


むしろ嫌い。

あんなおっきい奴に抱き付かれたら泣く!!死ぬ!!


なんて、すっかり安心しきっていた俺はうっかり失言していた事に気が付かなかった


「俺のヒナちゃんの方が何万倍もかわ…フゴォォオッッ!?」


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