lucky×unlucky
「はい、何か?」
「最上階の篠宮さんってどんな人か知りませんか?」
敵の情報は多い方がいいからね。
というかそもそも敵なのか?
「あー…あの人達ですか?」
なにやら徐にエプロンのポケットから手のひらサイズの手帳を取り出すとパラパラめくり始める
「あ、あったあった…なんでも、母親は現役の世界的モデルで現在は諸事情により休業中、父親は幅広い分野で活躍しているあの超有名篠宮グループの社長。現在はフランスで大きなプロジェクトを進行中。
娘は16歳にして父の持つ複数の会社の管理を担う天才少女。しかし会社が少女によって動かされている事実は勿論、顔も公表されてないそうです。」
スラスラと予想以上の情報を提供してくれる祥子さんに俺はだだ開いた口がふさがらない
「祥子さんって何者?」
「ここの仕事が休みの時はお遊び程度に情報を提供する仕事を少し。この程度の情報はあくまでも情報屋の一般常識ですが…あまり言いふらさないで下さいね」
「…はぁい」
人ってみかけによらないんだな…
改めてそう実感した早朝だった