lucky×unlucky
まんまと奴の口車に乗せられ勝負とやらに付き合う事になってしまった私こと篠宮杏
気がつけば時間が多くの学生と鉢合わせするであろう登校時間になっていて内心舌打ちすると、髪を束ねながら学校へ向かう
そうすれば必然的に山本恭平もついてくる訳で
「…ちょっと離れて歩いてくれませんか?」
「だって今日から友達だし。ダチと待ち合わせて一緒に登校くらいしたことあるだろ?」
そもそもここで友達を作りする予定はなかったんですけど…
それに…
「…そんな昔の事は忘れました。それより、勝負って何するんですか?」
「え?ああ…」
少しの間複雑そうな顔をしていたがすぐにヘラヘラ顔に戻って説明を始めた
山本恭平が言うには、友達勝負とやらはそもそも私が友達にも悪いことが起こると言った事を思い出してこの勝負を思いついたらしい
私にとっては大迷惑な話だが
友達らしい事をして山本に不運な事が起きなければ私の勝ち、山本に幸運な出来事が起きれば山本の勝ちという至ってシンプルな勝負
ただし例外で、無いとは思うが…私に幸運な事が起こっても山本の勝ち
ジャッジは二人で行い、もしお互いがいないところで問題が起こったら嘘偽りなく報告し、記録はメモ帳を持っている私がする…ということだ
ああ…めんどくさいι