lucky×unlucky
1ーFクラス
-山本恭平side-
「おは…」
俺は第一印象が大事だと思い、爽やかな笑顔を意識して勢いよく1ーFクラスへ足を踏み入れたが目の前に広がる風景に顔から表情が消えて途中までしか言葉が出なかった
おいおいおい…
「女の子…」
一人もいないんですけど!?
え?ここ男子校じゃないよね!?
チラッと見たけど他のクラスには可愛い女の子いっぱいいたよ!?
「おーい恭平!!こっちこっち」
期待していた癒しがおらず肩を落としていたら、突然誰かに呼ばれて
「あ、亮介…」
声のする方へ顔を向ければ見知った奴で
俺は廊下側の一番後ろの席で手招きしてる亮介の隣へ行き、椅子に腰かけた
「昨日休んでた山本ってやっぱお前の事だったんだな」
ニカッと白い歯を見せて笑い、全身から爽やかさが滲み出ているこの黒髪短髪少年は俺の幼馴染みの平亮介(ヒラリョウスケ)
お隣同士でよく一緒に遊んでいたが、中学三年の夏休み頃になるとお互い忙しくなり、
特にギリギリまで受験勉強で必死だった俺はスポーツ推薦でこの学校に受かった亮介によく当たってしまい、
ついには卒業式当日に大喧嘩して、喧嘩別れのような形で亮介との中学校生活を終わらせてしまったという苦い思い出がある