lucky×unlucky
「ちょ…どこに連れていくんですか!?」
「秘密♪」
そう言いながらひたすら階段を上がっていく山本と私
何度か階段で話をしている女子の横を通り過ぎたが、その度に山本の顔を見て目を輝かせるが、その隣にいる私を見て睨み付けた
あー…目立ちたくないって言ったのにコイツは…
恨めしそうに山本を見るがどこか楽しそうな顔で前を向いて走っているものだからこんな奴に反抗する自分が馬鹿らしく思えて、溜め息だけ吐いた
ガチャッ
「さ、着いた♪」
ようやく山本の足が止まって私は息を落ち着ける
上を見上げれば真っ青な空と白い雲
大きく息を吸えば思わず気持ちいい…と声を漏らしそうになったが、慌てて山本に向き直る
「ここ…屋上じゃない。鍵はどうしたのよ?」
屋上は立ち入り禁止で誰も入れないはず…
それを知っているため自然と口調も普段のものに戻る
「んー…保健室の先生に借りた」
「は?なんで保健の先生?」
「おーい!!遅いぞ~」
言葉を続けようと口を開いたら聞き慣れない男の声が響いて
「おー亮介♪お待たせ~」
山本の視線を辿れば私達のすぐ横に梯子を登って更に上に行ける場所があり、その上に亮介とかいう男がいた