lucky×unlucky
「あ、隣にいるのが噂の篠宮さん?」
「そーだよー」
亮介の問い掛けに山本は軽い返事をする
「……へぇ」
亮介はピョンとそこから下りると、徐に私に顔を近付けてじぃーっと見つめた
ちょ…近付きすぎ!!
てか、コイツ誰なのよ!?
噂って何!?
ぐるぐると思考を回転させながら目の前の男を眉を潜めて警戒するが、大きな瓶底眼鏡越しなので表情は見えないと思う
「ねぇ篠宮さん、眼鏡取ったらスゴいんでしょ?だから取っても良いかな?」
「はぁ!?駄目に決まって…」
いきなりの爆弾発言に頓狂な声が出てしまったがそれどころじゃない!!
慌てて逃げようとしたが、奴はいつの間にか片手で強く私の両手を拘束して、眼鏡の縁に手を掛けて取ろうとしていた
だから駄目だって!!
私はギュッと目を瞑った
刹那
ヒューーーーン
ボスッ!!
「ぐはっ!!」
何処からか物凄い速さで飛んで来た野球ボールに見事を頭部を直撃された亮介は、拘束していた手を離すとバタリと前に倒れた