lucky×unlucky
「まーまー怒らないでね?」
苛々させてるのは貴方だから!!
ニコッとムカつくような笑みを浮かべて、私のケータイをカチカチと操作させると、ほんの数十秒程で私の元へ返ってきた
「はい。俺と亮介のアドレスいれたから。気が向いたらメールちょーだい?」
…私が気が向くことは後にも先にもないわよ
心のなかでそう悪態ついて、キッと山本を睨むと踵を返した
刹那
最初は少し焦ったような声で
「あ…やっぱ俺からメールする!!」
思わずピタリ…と止まった私に安堵して、今度はいつもの間延びした声で
「だから、返信くらいはしてね?」
少しだけ顔を向ければ、山本がヘラリと笑いながら手を振っていた
「………」
…その腑抜けた顔が調子狂うのよ
はぁ…と溜め息をつくと、今度こそ屋上を後にした