lucky×unlucky
次の日は休日で
朝からピンポーンと軽快な音が鳴り響いた
「はーい♪どちら様でしょうか?」
インターホンの応答は家にいるお母さんがして、お母さんはまぁ♪という声をあげるとルンルンしながら玄関へ向かった
「…お父さんでも帰ってきたのかな?」
たまにしか帰ってこないせいか、年中バカップルな二人
お母さんも前までは海外の仕事ばかりで家にいなかったんだけど、今は長期休暇をとって家事に専念しているらしい
勿論、家政婦さんもいるけど自分で作りたい!というくせに料理が苦手なお母さんは毎回家政婦さんに料理を教えられながら作っている
「…お父さんじゃないのかな?」
何やら玄関の方で談笑する声が聞こえてきて、お父さんじゃないのは分かった
きっと、下の階の人だろうとリビングでテレビをみながらそう思っていたら私を呼ぶ声がして
「杏ー!お友達が来てるわよー」
お友達…?
そんな、まさか
嫌な予感が頭をよぎる
「山本くんと平くんですってよー」
やっぱりあいつらか
「…いないって言っといてー」
「いないって…今思いっきり声出してるじゃない!いいからさっさと着替えて来なさい!こんなイケメン二人を待たせないの!」
全く…お母さんはイケメンに弱いんだから
人の気も知らないで
ああなったお母さんは私の言い分なんて聞く耳を持たない
はぁ…と溜息をつくと、重い腰を上げて着替えに行く
数十分後に玄関へ向かうと
「おはよ~篠宮さん♪待ってたよ?」
してやったり顔をした山本恭平と
「篠宮さんの…私服姿…」
白いワンピースに髪を下ろした私の姿を見てキラキラと何故か目を輝かせた亮介君がいて
「……はぁ」
私はまたもや大きな溜息をついた