lucky×unlucky



「うはぁ…思ったより人多いな」

亮介は辺りを見渡して少しげんなりする

確かに今日は休日なのもあってか、遊園地は大勢の人で賑わっている

「だねぇ~♪さて、と…篠宮さんは何か乗りたいものある?」

「…別に無いわよ…っていうか手、離して」

未だに手を繋いだままの俺を篠宮さんは軽く睨む

「だって、逃げちゃうでしょ~?」

「………」

プイッとそっぽを向く

ありゃ

否定はしないか

「ああ!ずるいぞ恭平!俺もお前より篠宮さんと手を繋ぎたい!」

「駄目。亮介が篠宮さんに触ったらろくなこと起きないじゃん。」

それに、下心丸見えなんですよ~?

耳元でそう囁けばグッ…と声を漏らして俺から少し乱暴に手を離した

「そ…そんな篠宮さんと手を繋いで…あわよくば…なんて邪な心はない!」

「意味わかんないよ亮介」

篠宮さんなんか他のところに興味いっちゃってるし

「だから…あーもういいよ‼」

ガシガシと頭をかいたあと、俺を一発シバいて

「ほらっ早く行くぞ!篠宮さんも!」

篠宮さんはいきなり呼ばれて徐に亮介を見ると、はぁ…と曖昧な返事をする


分かりやすいなぁ…亮介は

背中を向けた亮介の耳が赤くて思わずぶはっと声を上げて笑ってしまった


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