lucky×unlucky



手始めに乗ろうとしたのはジェットコースター

バックで発進して回転しながら上がったり下がったりするもので、俺はかなりワクワクしていた


「おいおい…最初にジェットコースターとか頭可笑しいんじゃねえの?」

足を宙ぶらりんにして、物凄い速さでグルグル回ってキャーキャー言ってる人達を見上げて亮介は顔を引きつらせる

亮介は昔から絶叫系は苦手で俺は無理矢理乗せては青ざめる亮介を見てケラケラ笑っていた

勿論今日もそのつもりだ

「篠宮さんは絶叫系は得意~?」

「…乗った事無い」

「え?遊園地は来た事ない?」

「…小さい頃に家族と一度だけ」

殆ど覚えてないけど…って淡々と言う篠宮さん

目線は父母が微笑ましそうに見る中楽しそうにメリーゴーランドに乗っている子ども達に向けられていた

…また、寂しそうな顔をしてる




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