一枚のフォト


「・・・それにしてもすごいわ・・あたしの汚し具合。まぢ神。」


あたしは大の字でどーんっと立って部屋を眺めた。


ベッドの上にちらかるTシャツやらスカート。
今日ココナと出かけるためにいっぱい出した。
結局は荘汰お出かけたんだけど・・。

床には大好きなバンドチームが載っている雑誌が五冊くらい散乱していた。
あとそこにはいつ食べたかわからないくらいの
チョコの包み紙が数個落ちていた。

机の上には飲み切れなかったジュースがコップに残っていて
コップの底にはまりもの様に丸いカビが生えていた。

「・・・これ女の部屋じゃないな・・・。」

あたしは下に降りてゴミ袋をごっそり持ってきた。
んー・・・
まずは床に散乱しているお菓子のゴミを袋に全て捨てた。

それから汚いとこを順に掃除していった。

机の本棚に雑誌をしまおうと手を伸ばした瞬間


ハラッ・・・


1枚の写真が落ちてきた。


「何・・・これ?」
あたしはぴらっとその写真を手に持った。

そこには幼い頃のあたしと・・・


みたことのない男の子があたしと肩を組んでピースしていた。


二人とも笑顔笑顔だった。



・・・何かを忘れている気がしてならない。

大事なことを・・・


あたしは掃除が一段落したので
ベッドに腰を下ろし写真を見つめた。



そして写真の男の子に問いかけた。



あなたは・・・誰なの・・?















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