黒龍
暴走族
「俺は、黒崎 龍騎[クロサキ リュウキ]」
ふむ。
「俺は、斎松 翼[サイマツ ツバサ]」
ふむ。
「俺は、藍沢 亮[アイザワ リョウ]」
・・・ふむ。
「俺等のことは呼び捨てでいいぞ」
「いいの?」
「ああ」
うん。
じゃあ、そうさしてもらおう。
「っても」
いきなり翼が口を開いた。
「ん?」
「お前ぐらいだろうな。女でおれ等を、呼び捨てにするのは」
「へっ?」
――どういうこと?
それは、私がさっきあなた方を知らないで、驚いていたのと関係あるのかな?
「驚くなよ?」
驚くよ・・・
「俺等は暴走族だ」
なんてね、なんて冗談は言えなくなった。
暴走族?
誰が?
あなた達が?
「黒龍[コクリュウ]って知ってるか?」
亮が問い掛けきたけど、知らないから首を横にブンブンと振った。
「マジ?」
大マジです。
普通に生きてきて暴走族に会うはずがない。
だから知らない。
「県・・・いや九州のトップなんだけどよ、龍騎はそこの・・・」
嫌な予感がした。
「・・・トップだ」
予感的中!!
やったね!
なんて言える状況じゃない。
普通に生きてれば会わない人達が目の前にいる。
できれば、会いたくない人種だと思ってた。
最悪な出会いだと。
でも、話せば楽しくて私は出会えてよかった。
って思った。