姉妹

「美月ちゃん、朝よ、起きなさい」



祖母の声が響き渡る。



当然美紅が呼ばれることはない。



「美月ちゃん、朝ごはん出来てるわ。冷めないうちにお食べなさい。」




いつものことだから、別にいいんだけどね





コンコン




「美紅、起きてる?入るわよ。」



「おはよう姉さま。起きてるわ。」



「朝ごはん出来てるって。食べに行きましょう。」





姉さまは毎朝私を朝食に誘ってくれる。



一階に降りるだけなのに、誘っていくのもおかしいけれど



姉さまは毎朝いたたまれない顔で入ってくる。



私はもう何年もこんなだから今更悲しくなんてないのに。



もう何年も何年も必ず私を朝食に誘う。




昨日あんな話をした後でさえ


………優しい人
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