姉妹
美紅に味方などいない


今は仲良くしてくれる姉さまだって、離れていくだろう



姉さま、天使のように美しく優しい姉さま


瓜二つの顔のはずなのに、美紅とはどこか違う




あぁ、きっと目が違うんだ



姉さまの目は慈愛に満ちている


私の目は、悪魔のような深い紅・・・


邪悪な色


実際の色のことをいっているのではない


そう思わせてしまうのだ




‐なんだか混乱してきたわ



この絶望はどこにぶつけたらいい?



・・・そうだ、



全部壊したらすっきりするかしら?



なら思うままに、気の済むまで破壊しよう



いい子にしてたって美紅は悪魔なんだもん



同じことよ



美紅は縁側の下から庭に出た



そして庭の大木に手をかけた
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