姉妹
「せめて家の中でくらい、安住の地にしてやろうとおもったが、それがかなわなかった。美紅はあきらめた。しかし、ごく最近美紅の周りに変化があった」
「晴樹くんのことかしら」
「そうだ。美紅は初めて私と美月以外の、外の人間の中に自分の”味方”を見つけたんだ。これは大きいことだ。他人に受け入れられて時ほど、受け入れられた喜びを感じられるのが人間なんだからな。そうして美紅の中に”自制心”が消えた」
「”自分は幸せになれる人間だ”と思えるようになったんだ」
「そんな、まるでいいことのように」
「いいことなんだよ。だからお前にも受け入れてもらいたいんだ。美紅の幸せを受け入れてやってほしい」
「でも、」
そう言いかけたところで祖母は口をつぐんだ