姉妹
「ねぇ、晴樹と一緒に来るって可能性はないかな?」
「晴樹君まだ来てないの?」
「うん。なんか美紅ちゃんと一緒に行くって張り切ってたよ。もっとも、待ち合わせはしてなかったみたいだけど」
「それちゃんと会えるのかしら」
「うーん、美紅ちゃんが通学路を変えてたらアウトだね」
「そんな…それじゃ、もし会えなかったら晴樹くんは授業初日にして遅刻っていう不名誉な事態になりかねないんじゃ」
「まー大丈夫じゃん?晴樹だし」
「でも」
不安を隠しきれずに食いついた美月を和也は遮った
「大丈夫だって。お姉さまって案外心配性だね」
「これはさすがに心配よ。学校からうちまでは結構距離があって。道だって何通りもあるのに」
クククッ
和也はおかしそうに笑った
「大丈夫だよ、美月ちゃん。さ、とりあえず教室入ろう?廊下に突っ立ってるのもなんだし」
まだ何か言いたげな美月を強制的に教室に入れて和也はつぶやいた
大丈夫だという確信があった
なぜなら
「俺、晴樹ほど運のいい奴みたことねーから」