姉妹
「味方」



自分が誰にも言われないと諦めていた言葉



それでいて、1番望んでいた言葉・・・




そうか、美紅は始めから全て諦めてしまっていたのね



考えてみればおばあちゃんは美紅を怖がっていたけど、おじいちゃんは違ったわ



美紅は悪魔だって皆が言ってもおじいちゃんは「そんなことない」っていつも言ってくれたわ


私すっかり忘れていたわ


悲しみに溺れていた





美紅は改めて祖父の顔を見た



「おじいちゃん、ごめんなさい。お庭を大事にしていたのに・・・」



祖父は美紅を見つめたまま答えた



「お庭は残念だけど、おじいちゃんは美紅の方が大事だよ。またお手入れをすればいい」



「うぅ、ごめんなさい」



「それよりも美紅、物を破壊してすっきりしたか?」



「、全然しなかったわ・・・」



「そうだろう。心の不安は破壊でなくせるものじゃないんだ。虚しいだけだ。心には心でしか安らげないんだよ。それは味方だ。味方を確認したら、あとは強くなって自分で立ち上がるしかないんだよ。美紅にはまだ難しい話かもしれないけど、今おじいちゃんが言ったことは覚えておいてほしい」



「うん、覚えておくわ」



「ありがとう、おじいちゃん」



いつしか美紅の目からは邪悪な影は消え、いつものすんだ色を取り戻していた
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