姉妹
「でも…」
渋る美月に二つの声
「おはよー」
「おはよう」
「えっ?」
美月の心配もつかの間
「姉さま固まってどうしたの?」
「えぇ!?あら、二人一緒なのね」
「なぁ晴樹~」
「なんだよ和也。朝から嫌な笑みだな」
「そりゃお前、美人な女の子と一緒に登校するなんてよぉ~朝っぱらから見せつけてくれるじゃんってな」
「うるさいぞ」
耳まで赤くなっている晴樹といまだ攻撃をやめない
「そういや晴樹、お前待ち合わせもしないでよくこれたな」
「はあ?あぁ、なんとなくこっちかな、って思ってたらばったり」
「私もそんな感じ」
「な?」
和也は意味ありげに美月を見て、それからどこともなく消えていった
なんとなく、か
こんな些細なことだが、美月は何かを感じずにはいられなかった
この人なら状況を変えてくれるかもしれない、いや、変えてしまうかもしれないという確信があった