姉妹
少女たちのお喋りはまだ終わらない。

徐々に「何か」に触れていることにも気づかずに・・・

「でも二人ってあんなに似てるのになぜか絶対間違えなくない?」

「分かる!」

「何かが決定的に違うよね。なんだろ、雰囲気かな?」
「それかも、美月ちゃんはぱあーっと幸せオーラっていうの?」

「空気が澄んでるっていうのかな?まさに天使!白くて光ってるかんじ!」

「ま・さ・にそれだわ。」

「美紅ちゃんはなんだろう・・・幸せ満点って感じではないよね。」

「どことなくクールじゃない?」

「クールとは少し違くない?難しいけど、何かを抱えて今を生きています、みたいな」

「確かにー!美しさの中に闇を抱えて生きてきましたって感じ?」

「小悪魔!」

「そんなセクシーなものじゃないでしょ」

「じゃあ悪魔?」

「ちょっと、」

「いやぁ、天使の対になるのはやっぱ悪魔かなって」

「安直な。美紅ちゃんが悪魔とかないよ。良く分からないけど、いい子そうじゃない?」

「実際いい子だよ。確かに何考えてるか分からないけど、あまり目立つタイプじゃないし。浮世離れしてる感じはするけどね。」


「いつまで喋ってるんだ。席に着け、朝礼はじまるぞ」
「あ、やばい!またね!」

そして少女たちはごく普通に日常に溶け込んだ。
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