姉妹
「あの二人はどこまでも双子なんだよ。二人で一つだと心の底から思っている
だから幸福も不幸も二人合わさってバランスが取れると思っているんだ
鏡に映ったように瓜二つな外見がさらに増長するのかもしれないな
二人は同じだから、自分が不幸でも美月が幸せなら自分も幸せだということになると
だから幸福な半身として幸せすべてを請け負うのが美月の、不幸な半身として不幸せをすべて請け負うのが美紅の役割だというように、無意識のうちに分担しているんだ」
「全く意味が分かりません」
晴樹ははっきりといった
「意味わかりませんよ。人間は一人で一つの個体なんです。一人の中に不幸も幸福もあるんです。一人だけが背負うなんて、絶対におかしいし、できないことだと思うんです」
善蔵は微笑んだ
「それを聞いて安心したよ。やはり美紅には君が必要だ」