姉妹
-味方、かぁ…
「晴樹はいつもそういってくれるのね」
「え、嫌か?」
「ううん。嫌なんかじゃないわ。嫌になんてなりようがない。ただ、ありがたいだけ」
「そっか」
二人はしばらく無言のまま歩いていた
まるで昔からの付き合いかのように
「そういえばおじいちゃんとこの間病院で何を話していたの?」
「え?あぁ、詳しくは善蔵さんからいずれ聞くと思うけど…美紅の両親の話だよ」
「そうなんだ…」
「紫雨さんと弥生さんっていうんだね」
「そういえばそんな名前だったわね」
美紅は遠い目をして言った
「私、両親のこと写真で一度見たきりなの。だから懐かしいとか恋しく思う気持ちとか何もわかなくて」
「無理もないことだよ」
「おじいちゃんはなんで晴樹に最初に話したのかしら?」