姉妹
「俺に伝えたいことがあったからだよ」
-美紅のことを分かってくれ
「善蔵さんはいい人だね」
晴樹は優しい笑顔を美紅に向けた
「ええ。私のことも、ちゃんと見てくれた。私自身のことを」
美紅は幼少期・思春期の数々の出来事を少し思い出した
そのたびに献身的に“味方”でい続けてくれた祖父のことも
「だから私はおじいちゃんが大好き」
そして姉さまのことも
美紅は晴樹の3歩先に出てくるっと回転してして静かにはにかんで見せた
「おじいちゃんは私にも両親の話をしてくれるかしら」
「善蔵さんなら必ず」
両親の話は私の出生に必ず関係するはずだから
両親を知ることは今の私を知ることになると思うから
理由がわかると思うから
「じゃあね晴樹!また明日」
「また明日」
「あ!明日もこの角の所に7時半ね!一緒に学校へ行きましょう」
晴樹は片手をひらりとあげて答えた