姉妹
「あの、おばあちゃん」
「何かしら」
ああなんだいたの、と言いたげに重たい首を上げた
これまではこれだけだったのだが今日は一つだけ違った
-もしや怯えられている…?
祖母の顔色にほんのわずかながらも認識できるほどに美紅に対する怯えが表れていた
-私なにかおばあちゃんに怖いことしたっけ?
美紅に対する恐怖心を嫌悪感にすり替えるか存在を無視するかして対処してきた祖母がなぜか怯えをあらわにしている
私にかかわらないで、と体から伝わる
考えてもわからないし今はそれどころじゃなかったことを思い出して端的に尋ねた
「姉さまが帰ってないの。何か聞いてる?」